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さてこれからは俺が実際にどういう物語を作り、披露していったかをお話しましょう。 俺の過去を考えたとき、まあマイミクしてる方ならご存知だと思いますけど、重要なファクターはやはり「麻雀」です。
中三から雀荘に通い始め、高校では授業ふけてタクシーで渋谷の雀荘に行く退廃っぷり。浪人時代も大して予備校も行かないで麻雀。浪人したあとの京大入試の前日も京都でホテルの近くの雀荘探して調整w大学入っても麻雀、麻雀。 今現在でも突然神様が現れて、「可愛くて性格の良い彼女」と「麻雀の実力がワンランクアップ」どっちか好きなほうをあげようとか言われても、ノータイムで麻雀を選ぶほどの麻雀狂いっぷりw
_ ∩ ( ゜∀゜)彡 麻雀!麻雀! ( ⊂彡 | | し ⌒J
まさにこんな感じです。
自分で言うのもなんですが、これはこれで「シンプル」で「個性的」な面白い物語だとは思いますw でもまあ、この物語は確かに人事の方の記憶には残るでしょう。しかし印象に残るだけ残って一次面接で消えていく、まさに一発屋です。別にそんな武勇伝を残すために面接を受けているわけではありません。
この物語の中には、コミュニケーション能力、論理的思考力、リーダーシップ、協調性、社会性求められるものが何一つありません。この物語ではプロ雀士で成り上がるための物語ではあっても、総合商社の人事の方に夢を見せてあげることはできませんw物語は受け手である読者が存在して初めて意味を持つわけで、独りよがりでは決して成立しません。
麻雀自体の一般的なイメージは遊び、賭博、社会不適合者、まあせいぜいこんなのだと思います。利点があるとするなら、こんなもので本気で就活を乗り切ろうとする「個性的」なアホはせいぜい俺一人なことでしょうw
それでも麻雀はやはり「俺」という物語の中の大切な一部なわけで、いくら損であってもできるならば切り捨てたくはない。では総合商社の人事が共感できる、ひいては将来をイメージできそうな「麻雀」の世界とは一体どういうものでしょうか?
自分で色々考えて煮詰めた結果、そのキーワードは「勝負」です。「己の資本をいつどこで投下するかを考えて、ライバルと戦う。その結果儲かったり、逆に損したりする」
麻雀ってゲームをそう考えると総合商社みたいじゃないですか?
ただの「麻雀」といったら所詮遊びですが、こういう風にパラフレーズすることで面接官は「俺」という物語のイメージを共有できる。面接官が最も聞きたくなる質問も簡単に想像できます。
「どうしたら勝てるようになるか?」
こうきたらもうこっちの土俵です。あとはただ麻雀の戦術論を彼らの目線に一般化して語ればいいわけです。
例 生命保険を見ればわかるように人間は期待値計算ができない。リスクを大きく見積もる傾向にあるから、自分の思ったラインより半歩強く踏み込む等
あんなに不利そうだった麻雀ですら、自己紹介の物語の題材になるわけです。あなたの人生のどんな出来事だって、本気で打ち込んできたものがあるならばアピールに使えないわけがない。
ちょっと自分語りが長くなりすぎましたね
俺という物語を練り上げていった過程を省いて実際に使った自己紹介を起こしてみます
「私は学生時代「勝負」に打ち込みました。高校1年のときには雀荘で毎日麻雀にいそしむかたわら、共にバックギャモンというマイナーなゲームにはまりました。バックギャモンはマイナーゲームなので日本語の定跡書は一つしかありません。研究するには英語の定跡書を買って読むしかありませんが、当時はアマゾンなんて便利なものありませんから一冊数千円の定跡書を買うためにはお金がかかります。またマイナーゲームで大人のゲームのため大会参加費は数千円かかります。この出費は高校生には無理ですので、私は学校に出させようと考え、同士を募りバックギャモン部を立ち上げ、バックギャモンの魅力をサークル連合(部長会)につたえ、部の認可をうけて学校側に金を出させることに成功しました。部長として部を引っ張り、高校3年時のU22トーナメントでは優勝という結果を手にしました。大学に入ってからは、全く新しい環境でしたので別のゲームを本気でやろうと考え、高校時代から興味のあった将棋部に入りました。京大の将棋部は高校タイトルホルダーがゴロゴロいたので残念ながらレギュラーになることはできませんでしたが、全国アマチュア名人の浅田拓史を部内公式戦で勝つことができましたので自分なりの成果を残すことができたと思っております。私は様々なジャンルの勝負で勝つとはどういうことかを学びました。この経験を元に今度はビジネスというジャンルで世界と大きな勝負していきたいです。」
勝負というテーマの俺の物語ですがコミュニケーション能力、論理的思考力、リーダーシップ、協調性、社会性が連想できるキーワードを各所にちりばめました。麻雀自体はひっこんでますが、麻雀から抽出したキーワード「勝負」で物語を再構築した結果です
現実の俺を知ってる方はいろいろ突っ込みどころがあるでしょうが、嘘は入っておりません。自己紹介の時間は短いので、わざわざ自分の物語に不利になる情報をいれる必要はありません。もちろんこれは商社用の自己紹介の物語ですが、現実には会社に合わせて受け入れられやすい物語を作る必要があります。
No.138
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