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先日、声楽の恩師のお供をさせて頂き、ローマ歌劇場日本公演「トスカ」(プッチーニ作曲)を観てきました。 昔モーツァルトの「フィガロの結婚」「ドン・ジョバンニ」、ワーグナーの「マイスタージンガー」など観たことがあるけれど、あれは何年前だったかしら???
「トスカ」は、1800年のローマが舞台。歌手トスカと画家カヴァラドッシは恋人同士。カヴァラドッシは脱獄してきた政治犯の友人アンジェロティをかくまったことから逆に捕らえられ、トスカは警視総監スカルピア男爵にカヴァラドッシの助命を求める。スカルピアはその代わりトスカに自分のものになれと身体を求めるが、トスカはカヴァラドッシ釈放の書類を手にしてからスカルピアに身を任せるふりをして「これがトスカの接吻よ」とナイフで殺害する。カヴァラドッシの銃殺刑は形式上のものとして空砲で行なわれるはずだったが,処刑は実際に行なわれてしまい、絶望したトスカはサンタンジェロ城から飛び降り,自ら命を絶つ・・・というお話。
3幕あるのだけれど、幕間が30分もとってあり、何故、こんなに長いの?と思っていると、何やらカーテンの向こうでトンカントンカンと金槌の音が・・・。第2幕が開いた時、セットがガラッと変わっていて納得。セピアの教会から、色鮮やかなオレンジを基調としたスカルピアの書斎に移り、なんと美しい舞台なのだろうと、感心してしまいました。さすがイタリア歌劇! そして2幕目にはトスカのアリアがあるのだけれど、泣きそうになってしまいました。深い信仰心を持ち何も悪いことをしたわけではないのに、どうしてこんな目に遭わなければならないのか・・と悲しく歌うトスカ。ソプラノと言ってもどこかアルトの深い響がある今回のトスカ役ダニエラ・デッシー。情報によるとトスカ役は当初ダブルキャストで予定されていたのだが、デッシーの強い意志により、シングルキャストになったそうです。 すごい!彼女のこの舞台に賭ける強い気持ちが伝わってきます。 そして3幕はブルーグレーの夜明け前の処刑場。処刑は見せかけと信じていたトスカはカバラドッシが本当に銃殺されたと知るや、迫り来る兵士を背に迷わず城壁から飛び降ります。圧巻! 先生の話によると、今回の舞台上の恋人同士は、なんとプライベートでも恋人同士だとのこと。リアルな愛が感じられるハズだ。
幕間のカーテンコールも長めだったけど、終了後のカーテンコールの何と長かったことか!Bravo!、Brava!、Bravi!と何度も声が聞こえ、トスカ役、カバラドッシ役、スカルピア役の3人と指揮のジャンルイージ・ジェルメッティも何度もそれに応え、9時半終了予定が、10時近くになっていました。 (ちなみにBravoは男性に、Bravaは女性に、Braviは男女複数に対しての賛辞です。)
いや〜それにしても久しぶりに貴重なものを観させて貰いました。 今回の客層は、やはりシニアな富裕層が殆どで、本場歌劇場の日本公演は値段が高くて私のような庶民はなかなか観に行けないですからね(~_~;) いや〜、最高でした!\(~o~)/
No.22
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