2017/5/18(木)
エピソード415(刑務所出所1か月前の常識)
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| 最近の若い犯罪者層の連中は年長者に対する言葉遣いもろくすっぽ知らずに、平気で暴力団組長クラスにまで「つ〜か、それって〇〇じゃね?」なんてしゃべり方するアホも居るから、きっとそういったアホは刑務所に入っても出所1か月前の常識についても知らないだろうと思って書くことにした(笑)
ま、どこぞの初犯刑務所でずうっと独居房(1人生活)で刑期を終えて刑務所で過ごした気満々になってる人には関係ないが、通常初犯ではなく一般の再犯刑務所に収監された場合、普段の生活は例えば7人部屋といった雑居房にて集団生活を強いられるわけであって、懲役が3年なら3年間その雑居房で他の受刑者と協力し合って生活をするのが普通だ。
勿論、ウマが合う人間合わない人間がいて喧嘩になる事も多々あるのだが、そういった集団生活の中で、少なからず一緒にそこで刑期を終えるまではお互いお世話になるわけだから自分が出所する1か月前ともなればお世話になった他の受刑者達にお礼をするといった意味である事をするのが刑務所内では常識となっている。
そのある事とは、通常刑務所内では日曜祝祭日や土曜日に「甘シャリ」といって、お菓子やら小豆汁やら紙パックのコーヒーやらが受刑者に与えられるのだが、その甘シャリを出所1か月前にもなって意地汚く出所するギリギリまで自分で食べるんじゃなくて、これからまだ数年も刑期が残っている同部屋の受刑者に自分はあと1ヶ月で娑婆に出て自由に好きな物を食べられるんですから、どうぞこの甘シャリでカロリーを摂ってくださいって差し出すってこと。
ま、人として当たり前の事なので勿論看守にバレないようにそういったことが刑務所では行われている。
俺の場合、満期出所(裁判所で言い渡された刑期通り仮釈も貰わずに出所する事)だったので、出所1か月前にはお世話になった他の受刑者の方々に甘シャリにてお礼をしようかと思っていたのですが・・・
俺が出所する前に数人が出所していった俺の部屋、当然のことながら収容人数が満たない為、新たに新人の受刑者が入所してきた。
そやつが・・・今時の口の利き方も知らねえクソガキで(汗)・・・
部屋で1番年下の新人のくせして50代の組長にも30代40代の中堅クラスのヤクザ者に対しても同級生とテメエは喋ってんのか?って口の利き方をするわけよ(滝汗)
50代の組長が「まぁ今時の若い子はこんなもんだろ」って笑いながら会話しようにも周りにいる中堅クラスの顔は引きつって日に日に険悪なムードに・・・いつ殴り合いの喧嘩が始まってもおかしくなかった。
ある日、そんな状況に耐えられなくなった中堅クラスの若い衆が意を決したように俺にこう言った。
「もうこれ以上我慢できません!あんなボンクラとこれから先何年も過ごすんだったらボンクラぶっ飛ばして懲罰食らった方がマシです!哀川さん!嫌な役かもしれませんが、お頼みしても構いませんか?」
ま、何を頼まれたかって言うと・・・要はそのボンクラを俺が脅すなりぶん殴るなりして喧嘩両成敗といった刑務所内のルールに基づいて道連れにしてでもそのボンクラを他の工場に移動させて顔も見なくて済むようにしてくれって事だった。
何が言いたいか全部聞かなくても察した俺はそんな頼み通り、事を実行してボンクラを道連れにして俺自身は脅迫による懲罰委員会にかけられ懲罰房で出所までの1ヶ月を過ごし出所した。
お世話になった恩返し、通常なら甘シャリで返すところがこんな形で恩を返す事となったわけだが・・・
ま、なんにせよこういった常識も知らずに出所1か月前になっても平気で甘シャリ食おうとするバカもいるので犯罪者の寄せ集めの生活の場とはいえ、日頃から犯罪に手を染めていつ刑務所に収監されてもおかしくないような生活をしている若者にはこういった常識も覚えておいて欲しい。
No.112 |
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